ゲーミングPCの電気代は高い?
スペック別の比較や消費を抑えるコツを解説
2023.09.28(THU)
2023.09.28(THU)

ゲーミングPCにかかる電気代は、一般的なパソコンに比べると高くなる傾向にあります。特に「ハイエンドモデル」と呼ばれるパソコンは多くの電力を必要とする高性能なパーツが搭載されているため、電気代は一般的なパソコンの数倍になることも珍しくありません。
ゲーミングPCを購入する前に、どのくらい電気代がかかるのかを知っておきたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、ゲーミングPCのスペック別にかかる電気代の比較や、消費を抑えるためのコツを詳しく解説します。
ゲーミングPCにかかる電気代

ゲーミングPCを使用すると、一般的なパソコンに比べて電気代が多くかかります。そのため、新しくゲーミングPCを購入する際は、あらかじめ1ヶ月にかかる電気代のイメージを掴んでおくことが大切です。
ここでは、一般的なパソコンとの比較やパーツ別、スペック別など、さまざまな観点からゲーミングPCにかかる電気代について解説します。
一般的なパソコンとの比較
一般的なパソコンの場合、消費する電力の最大値は160W程度とされています。この消費電力をもとに電気代を換算すると、1時間あたり約4.96円の電気代がかかることになります。およそ5円と想定すると、1日5時間使用した場合で24.8円、30日間で744円です。
一方、ゲーミングPCの場合は、それほど消費電力が高くない機種でも300W程度の電力を消費することを想定しておく必要があります。300Wの機種を選んだ場合、電気代は1時間あたり9.3円であり、1日あたり5時間使用した場合で46.5円かかります。30日間に換算すると1,395円の電気代が発生することになり、一般的なパソコンと比べると約2倍程度かかります。
パーツ別にかかる電気代
続いて、パーツ別にかかる電気代を見てみましょう。ゲーミングPCの主要パーツは、CPU・HDD・SSD・メモリ・グラフィックボードの5種類です。この中で比較的電気代がかからないパーツがSSDとメモリで、それぞれ約0.11円となっています。
SSDとメモリの次に消費電力が少ないのはHDDで、1時間あたり約0.84円です。CPUは消費電力が多めで、6.2円程度かかります。最も電力を消費するのは映像を描画するためのグラフィックボード(GPU)であり、約8.31円が目安です。
もちろん、メーカーや型番などによっても消費電力は大きく左右されるため、必ず上記の金額に収まると一概に言い切ることはできません。しかし、大体のイメージを掴んでおくことで、1か月にかかる電気代を想定しやすくなります。
スペック別の電気代
ゲーミングPCは、パーツのスペックによって「ミドルスペック」「ハイエンドスペック」など、さまざまなクラスに分かれます。選んだパーツの性能が高くなるほど消費電力も多くなるため、ゲーミングPCがハイスペックになるほど、電気代が高くなる傾向にあります。
主要なクラスの1時間あたりの電気代を一覧で比較すると、下記のイメージになります。
・エントリーモデル(300W):約9.3円
・ミドルスペック(600W):約18.6円
・ハイエンドモデル(1200W):約37.2円
このように、スペックが上がれば上がるほど、電気代は高額になっていきます。さらに詳細な計算方法や、1日あたりの電気代のイメージは後述します。
実際の電気代を計算してみよう

ここからは、実際の生活でゲーミングPCを使うことを前提に、具体的にどの程度の電気代がかかるのかを計算する方法を解説します。
下記で紹介する計算式に自分が使用するゲーミングPCの使用時間やスペックを当てはめるだけで、1日当たりの電気代を簡単に計算できるので、これからゲーミングPCを新しく購入する際にご活用ください。
ゲーミングPCの電気代の計算方法
ゲーミングPCを使用するときにかかる電気代は、下記の計算式で算出できます。
ゲーミングPCの電気代=パソコンの消費電力(kw)×使用時間×1kWhあたりの電力量単価
1kWhあたりの電力量単価は、「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」が定めている金額で、2023年7月現在「1kWhあたり31円」となっています。この価格は社会情勢などさまざまな事情で変動することがあるので、ゲーミングPCを購入するタイミングで最新の価格を調べて、計算式に反映することをおすすめします。
よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
https://www.eftc.or.jp/qa/
【600W】ミドルスペックパソコンの場合
600WのゲーミングPCは、一般的に「ミドルスペック」に分類されます。600WのゲーミングPCを1日5時間使用した場合、1日あたり・30日あたりの電気代は次の通りです。
・1日あたりの電気代
0.6W×5時間×31円=93円
・30日あたりの電気代
93円×30日間=2,790円
一般的なパソコンを1日5時間、30日間使用した場合の電気代は744円なので、ミドルスペックパソコンの場合は約2,000円電気代が高くなります。
【800W】ハイエンドスペックパソコンの場合
続いて、ハイエンドスペックに分類される「800W」のゲーミングPCの電気代を見てみましょう。条件は他のゲーミングPCと同様、1日5時間使用、1kWhあたり31円とします。
・1日あたりの電気代
0.8W×5時間×31円=124円
・30日あたりの電気代
124円×30日間=3,720円
4,000円近くかかることを考えると、ゲーミングPCの電気代としては比較的比重が大きいと感じる人もいるかもしれません。一般的なパソコンと比べても3,000円程度高くなるため、電気代を抑えたい人は節約のための工夫が必要です。
【1200W】ハイエンドスペックパソコンの場合
最後に、ハイエンドスペックパソコンの中でも特にスペックが高い「1200W」のゲーミングPCの電気代を計算してみます。
・1日あたりの電気代
1.2W×5時間×31円=186円
・30日あたりの電気代
186円×30日間=5,580円
1,200Wのゲーミングパソコンを1日5時間、30日間使用した場合の電気代は5,000円を突破します。少しでも電気代を抑えるためには、使わないときはこまめにシャットダウンしたり、発熱対策を取ったりと、できる限りの対策を行うことをおすすめします。
ゲーミングPCの電気代を節約するためには?

ゲーミングPCの電気代を節約するために取れる方法はさまざまですが、例として次のような方法が考えられます。
・ゲームをプレイしないときはシャットダウンする
・モニターの輝度を下げる
・電源ユニットに「80PLUS認証」を選ぶ
・イヤホンやヘッドホンを活用する
・発熱を抑える対策を取る
・GPUを最新のものに交換する
・電気料金を見直す
・LEDをオフにする
・スリープモードに設定する
ここでは、上記の9種類の対策について解説します。
ゲームをプレイしないときはシャットダウンする
ゲームをプレイしないときはこまめにシャットダウンすることで、電気代の節約につながります。
ゲーミングPCは、使っていないときでも起動状態を維持するための最低限の電力が必要になるため、起動しているだけで電気代がかかっています。そのため、使用しない時間が長くなりそうなときは、手間に感じたとしても毎回シャットダウンすることをおすすめします。
ハイエンドモデルなど、消費電力が高いゲーミングPCをほとんどシャットダウンせず24時間起動し続けた場合、想定外の高額な電気代になることも考えられるため、不用意な付けっぱなしには注意しましょう。
モニターの輝度を下げる
モニターの輝度を下げることでも、消費電力を減らし、電気代の節約につなげられます。輝度が上がれば上がるほど消費電力は大きくなるため、モニターを必要以上に明るくしすぎないことも、電気代を下げるポイントのひとつです。
とはいえ、あまりに暗すぎる画面で作業をすると、疲労を感じやすくなるなどの健康面の問題が生じる可能性もあります。過度に輝度を下げるのではなく、作業に支障が出ない程度に調節することをおすすめします。
電源ユニットに「80PLUS認証」を選ぶ
ゲーミングPCの電源ユニットは、「80PLUS認証」という認証基準が満たされているものを選ぶと、電気の変換効率が高いため電気代の節約になります。
80PLUS認証を満たしている電源ユニットは全部で6つのランク(STANDARD、BRONZE、SILVER、GOLD、PLATINUM、TITANIUM)がありますが、いずれも80%以上の電気の変換効率が保障されています。これによって、同じ電力でより効率的にゲーミングPCを動かせるようになるため、電気の消費量を削減できるようになり、電気代を抑えられます。
イヤホンやヘッドホンを活用する
音声を出力する媒体をスピーカーからイヤホン・ヘッドホンに切り替えることによって、消費電力を削減可能です。同じ音量を出すために消費する電力を少なく抑えられるため、電気代の節約につながります。
削減量は他の工夫に比べると少なめですが、長時間ゲーミングPCを使用することが多い人などは、小さな積み重ねが大きな節約につながるため、試してみると良いでしょう。
また、イヤホンやヘッドホンを活用することで、臨場感あふれるゲームプレイを楽しめるというメリットもあります。
発熱を抑える対策を取る
ゲーミングPCが発熱すると、パソコン内部にある冷却ファンが激しく稼働して、消費電力が大きく増加します。そのため、日頃からゲーミングPCの発熱をできるだけ抑えるための工夫が必要になります。
ゲーミングPCの発熱を少なくするためには、陽の当たらない場所に本体を設置して、温度が上昇しにくい環境を整えることが大切です。陽が差し込みやすい場所に本体を置くと、日光によって本体の熱が上昇しやすくなり、冷却ファンの稼働時間が長期化して電気代の増加につながります。
設置時に1日の温度変化を確認した上で、最適な設置場所を検討しましょう。
GPUを最新のものに交換する
GPUはゲーミングPCの中でも特に消費電力の大きいパーツですが、日々技術が進歩しており、できるだけ少ない電力で最大の効果を発揮するための改善が重ねられています。そのため古いGPUを使っている場合は、最新のGPUに交換すると、消費電力を抑えて電気代を下げられる可能性が高まります。
GPUの性能が高まればゲームプレイの品質も高まり、さらにクオリティの高い映像でゲームを楽しんだり、操作が快適になったりするというメリットもあります。
最新のGPUは高価だと感じることも多いかもしれませんが、電気代の削減量を考慮すると、実質的に低負担で買い替えられる場合もあります。そのため、まずは現在の電気代と、買い替え後に想定される電気代を計算してみると良いでしょう。
電気料金を見直す

さまざまな工夫を凝らしても電気代が高額だと感じる場合は、電気料金自体を見直すのも手段のひとつです。近年では電力自由化によってさまざまな電力プランを選べるようになっており、生活スタイルによって最適なプランは異なります。
1か月の間でゲーミングPCを使用する時間が長い場合は、使用量が多いと割安になるプランを選ぶと、従来のプランよりも電気代を安く抑えられる可能性が高いでしょう。反対に、それほど使用時間が長くない場合は、基本料金が安価なプランを選ぶのもおすすめです。
LEDをオフにする
ゲーミングPCには、演出強化のためにさまざまな色合いに発光するLEDが搭載されている機種が多くあります。このLED本体や、LEDをコントロールするためのソフトウェアは電力を消費するため、不要であればLEDをオフにしておくと、電気代を抑えられます。
また、LEDが発光する際に熱を生み出すため、本体の温度を上げる原因にもなる可能性もあります。本来の温度上昇によって冷却ファンが激しく稼働し、結果的にさらに消費電力が増えることも考えられるので、LEDを発光させるためにかかる電力以上に電気代がかさむことを考えると、こだわりがない場合はオフにしておくことをおすすめします。
スリープモードに設定する
ゲーミングPCを使用しない時間が短時間に収まる場合は、電源をシャットダウンするよりも「スリープモード」に設定しておくと、電力の消費を少なく抑えられます。
具体的には、離席が1時間30分以内ならシャットダウンではなくスリープモードを選択するのがおすすめです。1時間30分以上使わない時間が続く場合は、シャットダウンした方が電力の消費を抑えられる可能性が高いです。
ただし、「すぐに戻ってくるからスリープモードにしておこう」と判断したものの、思ったよりもスリープモードを解除するまでに時間がかかり、結局はシャットダウンするより電気代が高くなってしまったというケースも考えられます。不安な場合は最初からシャットダウンしておくのも選択肢のひとつです。
おすすめのゲーミングPC
最後に、消費電力や発熱が抑えられ、初心者にも扱いやすい、おすすめのゲーミングPCを紹介します。
これから初めてゲーミングPCを購入しようとお考えの方や、もう少し安定的に稼働するゲーミングPCを求めている方などは、ぜひ参考にしてください。
LAVIE Direct GX

LAVIE Direct GXは、比較的安価で購入できて安定的な稼働が期待できる、コストパフォーマンスの高さが魅力のゲーミングPCです。
CPUに「第13世代 インテル® Core™プロセッサー」、GPUに「NVIDIA® GeForce RTX™3060/NVIDIA® GeForce GTX1650 SUPER™」が搭載されており、軽量~中容量程度のゲームなら高いフレームレートで動作させることが可能です。容量の大きなゲームでも、設定を調節することで十分に快適なプレイが期待できます。
メモリはデュアルチャンネル対応の16GBメインメモリであり、Webブラウザで複数タブを開きながらの作業だけなく、ビデオ通話アプリを使用しながらのゲームプレイもスムーズです。
温度上昇による性能低下を防ぐ冷却システムを搭載しており、65WのCPUクーラーに加えて、フロントから取り込んだ空気で本体内部を効果的に冷却するエアフロー設計が採用されています。ゲーム中などの高負荷時でも、性能をダウンさせることなく、クールにプレイできます。
ハードウェアのデザインは、従来のゲーミングPCとは一線を画すオトナデザインです。算木崩しの模様はスタイリッシュな和を感じさせ、その隙間からこぼれる白い光は、素敵なゲーミング空間を演出します。
まとめ
ゲーミングPCの電気代は、高性能な各パーツを動かすために多くの電力を必要とするため、一般的なパソコンに比べると高くなる傾向にあります。特に800Wや1200Wなどのハイエンドモデルは、一般的なパソコンにかかる電気代の5~8倍程度になることも少なくありません。
ゲーミングPCの電気代を少しでも抑えたいなら、ゲームを遊ばないときはこまめにシャットダウンしたり、発熱を抑えるための対策を取ったり、GPUを最新のものに交換したりするなどの工夫が必要です。
NECでは、最新の技術を適用したゲーミングPCを数多く販売しています。高性能でありながら、電気代も含めたコストパフォーマンスの高い機種をお探しの方は、ぜひNECのゲーミングPCをご検討ください。